これからの阪神は勝っているゲームを落としたくない。後半戦からアルカンタラを配置転換したのは、後ろのリリーフ陣を厚くし、勝ちパターンを再構築する必要性を感じているからだろう。

そのアルカンタラが8回の1イニングを無難に抑えた。6点リードという点差もあったが、もともと簡単に制球を乱すタイプではない。新たなポジションにもそれなりに対応する印象は受けた。

前半戦からチェックしているのは及川というピッチャーの可能性だ。この一戦のピッチングをみていると、場数を踏むごとにストレートの強さがでてきたし、カットボールにもキレがある。

13日の同カードで登板した同じサウスポー岩貞と比較した場合に、現段階では及川に優先順位がつく。今後は勝ちパターンのリリーフとして及川も計算に入ってくるだろう。

いかにストッパーのスアレスにつなぐか。8回は岩崎で固定、アルカンタラと及川の左右リリーフをうまく併用しながらの継投で乗り切りたい。またその成否がチームの行方を握るだろう。

また二保の勝ちは、チームにとって7戦ぶりに先発ピッチャーについた白星だった。のらりくらりとした投球だったが、西勇でカード初戦に敗れただけに、打線の援護は大きかった。

その西勇だが、らしい投球が見受けられず、勝ち星から遠ざかっているのは不安材料だ。1度ローテーションから外し、再調整を選択することを考えてもいいだろう。(日刊スポーツ評論家)

阪神対広島 6回表途中から、阪神2番手で登板する及川(撮影・加藤哉)
阪神対広島 6回表途中から、阪神2番手で登板する及川(撮影・加藤哉)