阪神で投打の軸になる2人に変化が見受けられた。まず開幕候補の先発青柳晃洋投手(28)が昨シーズンの打点王で左の4番島内宏明外野手(34)と対戦した打席では、これまでと違う配球をしているのが目についた。3回2死満塁。初球はインハイのカットボールだった。すべての塁が埋まった場面で、自身の制球力も考えると、これまでなら外に沈む球を配してゴロで打ちとるパターンだった。オープン戦なので、キャンプで取り組んできたことを試す時期ではある。島内の懐を突いた配球には、ピッチングの幅を広げようとしている姿勢が感じられたし、全体的に順調にきている。

2本の長短打を放った4番の佐藤輝明内野手(22からも変わった印象を受けた。昨シーズンは上半身が浮ついた感じだったが、この日の2安打を見ると、打ちにいく際の体の重心が低くなっている。

下半身がどっしりしたことで、ちょっとした“間”というかタメができている。ボールの見送り方もよかった。打順の組み方で大山と並べるのは賛成できないが、2年目も佐藤輝は面白い。

あとは6回から3イニング好投した小川一平投手(24)は、少し力みが消えていたのは収穫だ。一方で、メル・ロハス・ジュニア外野手(31)についてはキャンプでもチェックしたが、2年目の上積みは期待できそうにない。日本人外野手の奮起に期待したい。(日刊スポーツ評論家)

阪神対楽天 7回裏阪神無死、右越え二塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対楽天 7回裏阪神無死、右越え二塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)