ソフトバンクは交流戦で3年ぶりVを果たせなかった。最終カードのヤクルトに3連敗。昨年日本一のツバメ軍団に2年連続3タテを食らい、交流戦の成績は9勝9敗の4位に終わった。17日から首位楽天との3連戦(ペイペイドーム)でリーグ戦が再開。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(52)は、攻撃陣のキーマンに周東佑京内野手(26)を指名。「1点差の試合をいかに勝っていくか」と、自慢の走力に期待した。【取材・構成=佐竹英治】

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3年ぶりの交流戦Vはならなかった。

浜名氏 柳田、中村晃、そして三森の不振が大きかったんじゃないですか。相手投手の右左に関係なく、外せない3人。誰か1人でも好調であれば結果は変わっていたと思うが、機能しなかった。

1番三森はゴールデンウィーク明けまで打率3割越えが、交流戦終了時には2割4分3厘と大きくダウン。チームの課題だった「1番打者」は開幕から三森がしっかり務め、二塁手の固定と合わせて一気に解決したかに見えたが。

浜名氏 「1番」もやり直しを考えないといけないかもしれない。リーグ戦再開で期待するのは周東。昨年に比べて打撃も格段に良くなっているし、内外野ともに守備もできる。ゲーム終盤の代走起用だけでも相手チームはイヤなはずなので、「1番起用」も含めて彼が打線の重要なピースになると思う。牧原大も交流戦では打撃好調だっただけに、周東と牧原大の足を絡めた「1点差の試合をいかに勝っていくか」という走力重視の攻撃がカギになるのでは。

投手のポイントは何か。

浜名氏 やはりブルペン陣じゃないですか。特に7、8回が重要。又吉の存在もさらに大きくなるはず。交流戦では津森に疲れが見えたが、さらに中継ぎ陣の負担は増えていくだろうし、2軍で調整していた甲斐野にも期待したい。2軍戦を見ていて直球が良くなったし、1年目の球威が戻った感じ。連投の不安は残っているものの、甲斐野が1枚加わることでブルペンは厚くなる。

課題も浮き彫りになった。

浜名氏 「やれることをしっかりやる」「やってはいけないことは、しない」ということ。中日戦の時は先発杉山が守備のバックアップを2度怠り、ヤクルト戦では松田が一塁でけん制後にタッチアウトになった。11日のヤクルト戦(ペイペイドーム)では3点を追う7回、先頭周東が四球を選びながら代打ガルビスの場面で盗塁死。V奪回を目指すチームが、スキを見せるようなプレーはしてはいけない。選手個々のプレーだけではなく、極端な外野の前進守備で逆転を許した試合が2度あった。選手とベンチが互いに疑心暗鬼になることは避けたい。両者の意志が通じ合ってこそ、作戦の成功率は高まる。失敗を教訓にしてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)