先週、阪神のドラフト2位ルーキー井上が1軍昇格した。16日ヤクルト戦では甲子園初打席で適時二塁打。非凡なところを本拠で示した。

矢野監督は言う。「今回呼んだのも、もともとここで呼びたいなというところで呼んでいる」。デビュー戦は14日敵地ナゴヤドームでの中日戦だった。相手先発は大野雄。球界トップクラスのレベルを肌で感じさせる狙いもあった。その後も指揮官は井上を1軍同行させている。19日はヤクルト・マクガフと対戦。157キロの直球に空振り三振。だが、その剛球との対戦も財産となるはず。“現在地”を確認できる貴重な時間で、1軍打者から吸収できることも多いだろう。

さて、ドラフト1位の西純の今季中の1軍昇格はあるだろうか。

西純は18日2軍戦で先発。その試合を取材するなど新人右腕の成長を見てきた虎番、只松記者が説明してくれた。「夏場ごろからフォームもバランスを重視して上体がぶれないようになっています」。球数100球をメドに投げており、6回2/3を投げた今回が最長イニングだったとのこと。西純は井上のデビュー戦を鳴尾浜の寮の部屋で1人で見ていたそうで「うらやましいなと思いました。自分も負けないように。今シーズンもあと少しですが、アピールして上に上がれるように頑張りたい」と決意を言葉にしている。1軍での第1歩を刻む瞬間を待ちたい。【阪神担当=松井周治】

プロ初安打となる適時二塁打を放つ井上広大(2020年10月16日撮影)
プロ初安打となる適時二塁打を放つ井上広大(2020年10月16日撮影)