高原のねごと

阪神梅野が見せた甲斐からの盗塁よりも“いい走り”

<オープン戦:ソフトバンク1-0阪神>◇2日◇ヤフオクドーム

5回表阪神2死一塁、二盗を決める梅野隆太郎(撮影・清水貴仁)
5回表阪神2死一塁、二盗を決める梅野隆太郎(撮影・清水貴仁)

梅野隆太郎が“いい走り”を見せたという話を書く。ソフトバンクの前にあと1本が出ず、0-1の敗戦。でも本格的なオープン戦開始のこの時期、とりあえずはいいところを見たい。梅野だ。攻守に目立った。地元・福岡に戻り、張り切ったのかどうかは分からないが、いい仕事をした。4点、挙げたい。

<1>安打 昨季、阪神から移籍した松田遼馬から5回に右前打。ブルペン入りを狙う松田だが選手層の厚いソフトバンクでは正直、微妙。その松田に2イニングとはいえ無安打ではまたぞろ「阪神何やっとる」の声が起こるかも。簡単には“恩返し”はさせず、チームを救う? 安打だ。

<2>盗塁 その直後。近本光司の1球目で盗塁を成功させた。「初球からいこうと思っていた。ちゅうちょしないように。早いカウントからいけたのはよかった」。梅野はそう振り返った。相手捕手は昨季の日本シリーズMVP男、「甲斐キャノン」で名を売った甲斐拓也だった。

「もちろんサインです。矢野監督の“超積極的野球”を象徴する攻めですね。梅野だけでなく走者が出たら相手のバッテリーはみんな警戒していました」。一塁ベースコーチの筒井壮はそう補足した。

<3>刺殺 7回裏、藤浪晋太郎が5番手で登板。いきなり先頭の代打・栗原陵矢に右前打を許した。栗原は次打者の2球目で盗塁を企図。だが梅野はこれをビシッと刺した。ここでも甲斐に見せつけるように「梅野バズーカ」の威力を発揮した形だ。

「自分の仕事をしたということですね。(藤浪の)立ち上がりだったし投手にとっては大きなプレーになったと思います。助けることができたのはよかった」。刺殺について梅野は胸を張った。

さて冒頭に「いい走り」と書いたのは<2>の盗塁のことではない。7回、藤浪が登板した場面での動きについて、だ。これを<4>にしたい。

梅野はその表、チェンジのタイミングで次打者席にいた。防具を着ける時間が必要。そこで坂本誠志郎が出てきて藤浪の相手をしようとした。だが梅野は大急ぎで準備をし、ダッシュで戻った。結局、坂本は1球も受けなかった。

制球難からの脱出を図る藤浪はやはり不安を抱えている。受ける立場からすれば、少しでも早く試合で受ける自分に球を投げさせ、落ち着かせてやりたいと思うはずだ。

「あそこね。晋太郎でね。まあ、そういうことです。気合を入れていきました」。梅野はニヤリと笑った。いい走りだった。それでこその正捕手候補だ。(敬称略)

7回裏ソフトバンク無死一塁、栗原陵矢の二盗を阻止する梅野隆太郎(撮影・栗木一考)
7回裏ソフトバンク無死一塁、栗原陵矢の二盗を阻止する梅野隆太郎(撮影・栗木一考)

取材生活30年を超える古だぬき記者。吉本興業から宝塚歌劇団、あるいはヤバい人たちの取材から始まり、プロ野球ではイチロー日本一(96年)星野阪神V(03年)緒方広島連覇(17年)などの瞬間に立ち会った。日刊スポーツ大阪本社編集委員。

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