<みやざきフェニックス・リーグ:広島7-6西武>◇14日◇天福

日刊スポーツ評論家・田村藤夫氏(61)が、広島の18年ドラフト1位で高卒2年目・小園海斗内野手(20=報徳学園)の現状をリポートした。

ショートで試合に出ていると思って天福に足を運んだが、1番サードだった。この試合のショートはドラフト4位の高卒ルーキー・韮沢雄也(19=花咲徳栄)が守っていた。それがちょっと意外だった。

小園を見るのは昨年のウエスタン・リーグ以来。バッティングはどんな感じか楽しみにしていたが、想像していたような目覚ましい成長は見られなかった。

初回、先頭の小園は西武浜屋の初球ストレートを打ってショートフライ。初球を打つのが悪いのではなく、狙っていたのなら、あっさりと打ち上げてしまったなと感じた。同じ初球狙いにしても、紙一重だったという印象はなく、どちらかと言えば淡泊さが残った。

3回無死一塁で打席が回ってくると、初球にセーフティーバントを試みた。三塁側への意識は見られたが、結果は投手正面に転がり二塁封殺で小園が一塁に残った。三塁を狙う意図は感じられたが、バントのコースを狙えるカウントだっただけに、確実に三塁側へ転がしたかった。もったいなかった。

その後一塁走者で残った小園は、左腕浜屋が足を上げた瞬間にギャンブル気味にスタート。一塁から二塁に転送され、タイミングは余裕でアウトだったが、ショートがボールをこぼし(記録はエラー)、その間に小園は三進。後続のヒットで得点。二塁を狙った走塁には、セーフティーバントの失敗を取り戻そうという意欲は感じられた。

小園はルーキーイヤーから1軍に出場しており、いずれは高卒ルーキーとしてショート争いの中心になる存在だ。この試合でのバッティングには目を見張る変化は感じられなかったが、素材としては広島の有望株という位置付けだろう。どんどん試合に出て、1打席でも多く経験し、常に上を目指してほしい。

15日は巨人-中日(サンマリン)からリポートする予定だ。(日刊スポーツ評論家)