2年ぶりの優勝を狙った駒大苫小牧のエース伊藤大海(3年)は4番手で登板した。後輩3投手が大量14失点しながら踏ん張って投げる姿を中堅から見守った。「本当は自分が投げたかった」という感情をぐっと抑え続け、6回から出番が来ると4イニングで打者13人に6奪三振、無安打無失点で北海打線の勢いを食い止めた。「自分が流れを作っていこうと思った」。後半味方が巻き返すも届かなかった。

 幼なじみでエース同士、待望の初対戦だった。鹿部中時代に函館東シニアのチームメートだった北海のエース渡辺幹と高校入学後初めて対戦が実現した。前日30日の夜には連絡を取り合い互いの健闘を誓っていた。3番打者として打席で向き合い、実感したライバルのすごさ。4打数無安打に終わり「完敗ですね。低めに丁寧に集めていた」とすがすがしく笑い「もう負けられない」。14年春甲子園で1年生ながら完封勝利を挙げた右腕が、最後の夏を前に気持ちを新たにしていた。【保坂果那】