夏の甲子園準Vの仙台育英(宮城)は鳥羽(京都)に敗れた。7回から登板したエース佐藤世那(3年)は3回1安打無失点と好投し、試合後は悔し涙を流した。

 4-5の7回表、佐藤世がマウンドに向かうと観客の拍手が湧き起こった。その回に二塁打、死球などで2死一、三塁のピンチを招くも無失点で切り抜け、8、9回は3者凡退。「9回は今までにないぐらいの力で投げた」。逆転を信じたがかなわなかった。試合後には自然と涙があふれ出した。「まだやりたいというのが、正直ありました。甲子園より泣いてしまいました」と語った。

 思い出の球場で「IKUEI」のユニホームを脱いだ。会場の紀三井寺球場は、秀光中2年の夏に初めて全国大会を経験した場所。その時の自分を思い出し「マウンドでの配球、落ち着き。自分で言うのもなんですが、別人になったと思う」と成長を実感した。

 昨秋神宮大会で優勝後、右肘の故障に悩んだ時期もあったが、センバツ、夏の甲子園で活躍。U18(18歳以下)W杯では日本のエースとして準優勝に貢献し「セナ」の名を全国に知らしめた。近日中にもプロ志望届を提出する。この日、東京五輪の野球開催が濃厚になったことを受け「そこに選ばれるような日本を代表するピッチャーになりたい」と次の夢を話った。

 佐々木順一朗監督(55)は佐藤世にこんなエールを送った。「(投げ方が)アーム式だからダメというがそうじゃない。体が屈強になれば、村田兆治さんのようになれる」。次のステージでも投げ方を貫いて欲しいと、背中を押す。

 高校最後の試合を終えた佐藤世は「帰って(メンバーの)みんなとごはんを食べたい」と話した。夏の思い出を語り合い、次の道へ進む。【高場泉穂】