清宮に主役の座は渡さない! 高校野球特集の第2回は、日刊スポーツ記者が全国の有望打者にスポットを当てる「ピカイチ打者編」。ドラフト候補で強肩強打の九州学院(熊本)の村上宗隆捕手(3年)が、ライバルの早実・清宮幸太郎内野手(3年)の存在を刺激に2年ぶりの夏切符を目指す。1年時から比較され、互いを認め合う仲。トレーニングの成果でパワーアップした村上が、激戦熊本の頂点を目指す。

 今秋ドラフト候補の「肥後の和製ベーブ・ルース」こと村上が最後の夏に挑む。5月中旬の藤崎台県営球場での交流戦(沖縄尚学戦)。自身も「ビックリした」と右翼越えの人生初の場外弾を放った。関東遠征での6月9日慶応戦では、推定130メートルの通算47号を右翼上段にたたき込むなど、春先から本塁打15本をマークした。パワー向上を実感し「去年の夏よりしっかり仕上がっている」と手応え十分だ。

 成長の背景には、あのスラッガーの存在がある。2年前、早実・清宮とともに強打のスーパー1年生として注目された。それ以降、比較され続けてきた。「自分は自分ですが、意識しないと言ったらウソになる」。坂井宏安監督(60)が「仲がいいみたいだし(実力を)認め合っている。清宮くんみたいないい選手を目標にできるんだから村上は運がある。存在は大きい」と話す。