6月の関東遠征中の早実戦の試合前のこと。清宮から「調子どう?」と声をかけられた。試合では、そのライバルにサヨナラ負けにつながる二塁打を浴びた。「やっぱりすごかった。ここ1本で欲しい時に打つ」と触発された。「(清宮と)甲子園で対戦できたらいいがそこは気にせず、相手がどこであれ、まずは勝ちたい」と2年ぶりの聖地へ思いをはせた。

 昨秋から初のジム通いで肉体改造に着手した。ベンチプレスは110キロ。下に置いたバーベルを引き上げるデッドリフトは200キロと筋力はアップ。坂井監督が「打撃は全国トップクラス。上のレベルで指導される機会があればもっと伸びる」と成長を認める。2年前の1年時の夏。熊本大会初戦で満塁弾をバックスクリーンに放つデビューを飾った大砲は、主将としてラストサマーに挑む。【菊川光一】

 ◆村上宗隆(むらかみ・むねたか)2000年(平12)2月2日、熊本市生まれ。地域スポーツクラブで5歳から野球を始める。長嶺中時代は熊本東リトルシニアで二塁手から捕手に転向。九州学院では1年春から4番一塁手でレギュラー。夏予選初戦の初打席で満塁弾を放った。1年秋からは3番捕手。捕手として二塁送球1秒9。50メートル走6秒1。握力は右71キロ、左68キロ。家族は両親と兄、弟。186センチ、96キロ。右投げ左打ち。