大船渡(岩手)の最速157キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が28日、今季初めて公の場でブルペンに入った。「冬が明けてから一番腕を振りました。気持ちよかったです」と満足した様子だった。

千葉・富津市の浅間山球場での木更津(千葉)との練習試合中、ベンチを立ち上がり、ブルペンへ向かった。気温12度と肌寒く、ウインドブレーカーは着たままだったが、捕手が座った状態で約20球。「向かい風だったので(球速は)140キロくらいですかね」と手ごたえを話した。

スライダーも交え、さてフォークも…というところで、捕手役を務めた熊谷優成内野手(3年)が「フォークはやめておこう、フォークは」と“懇願”した。熊谷優は慣れない捕手ミットで懸命に捕球していたが、そのミットを弾くほどに球威があった。「高校四天王」の名に恥じない、堂々の投球。ブルペンでしっかり投げられたことで、近日中に今季初の実戦登板のチャンスがありそうだ。

大船渡の練習試合終了と、センバツ甲子園で星稜(石川)が敗れたのはほぼ同時。ベンチを出て10分後には、もう星稜の敗退を知っていた。同じ四天王の奥川恭伸投手(3年)の動向はやはり気になる様子。奥川が本塁打を打たれたことは知らなかったようで「えっ、本塁打打たれちゃったんですか!?」と目を丸くし「えぇーっ…」と絶句していた。【金子真仁】