今秋ドラフト候補の京都国際・上野響平内野手(3年)が「カメレオン打法」で4安打4打点2得点と大暴れし、6回コールドで嵯峨野を下し、チームを準々決勝進出に導いた。

1番遊撃で先発。「投手との相性も考えて。今日は引っ張ることなく行こうかなと思っていました」。嵯峨野の軟投派左腕、佐竹泰智投手(3年)に対し、低めの変化球を我慢して広角に打ち分ける“大人の打撃”に徹した。

1回は先頭で三遊間を抜き、犠飛で先制のホームを踏む。5点リードの3回1死満塁からは左翼線に走者一掃の3点二塁打を決めた。5回は中前打。6回1死二塁では右中間に適時三塁打を放った。

今年の春季大会以降、相手投手のスタイルによって打撃を変えるようになったという。

「それまでは何も考えず、左投手のチェンジアップにくるくる回ったりしてしまっていたので」

この日は相手投手の緩い変化球に翻弄(ほんろう)されることなく、丁寧にミート。外野の守備位置もチェックしながら打球方向をイメージする冷静さもあった。

同校は昨秋の京都大会で2位に入るも、近畿1回戦敗退でセンバツ大会出場はならず。今春は京都大会を制覇し、夏は悲願の甲子園初出場を狙う。

全国まで残り3勝。主将でもある上野は「夏(甲子園)を取りに行くためにやってきた。1つ1つ勝っていくだけです」と落ち着いた表情で前を向く。

小牧憲継監督(35)は「まだまだ点を取り切れていない。詰めの甘さがあった」と厳しい表情を保ったまま、「ここから上で勝てるように練習をしていた。ここから引き締め直していきたい」と力を込めた。【佐井陽介】