仙台育英監督「夏はメッセージ性の強い大会になる」

  • ノックに入る前、少し距離を置きながら円陣を組む仙台育英ナイン。左から3人目が須江監督(撮影・山田愛斗)
  • 打撃練習を行う仙台育英・入江(撮影・山田愛斗)
  • ノックを受け、送球する田中主将

仙台育英(宮城)硬式野球部が30日、多賀城市内の同校グラウンドで全体練習を再開した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が続き、3学年そろうのは4月12日以来1カ月半ぶり。この日の午前は打撃やノックなど約3時間白球を追い、その後、須江航監督(37)や田中祥都主将(3年)らが取材に対応。3年生は2年生へ、今年かなわなかった日本一の夢を託した。

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昨夏甲子園8強、同秋の東北大会も制した仙台育英が、来年の全国制覇と、選手それぞれの目標に向けてリスタートした。コロナ禍の影響により野球部の寮生は帰省し、各自で調整を続けてきたが、25日から分散登校が始まり、平日は学年ごとに1時間限定の練習が再開していた。そして、選手権大会の中止決定から10日後のこの日から、午前と午後の長時間に及ぶ全体練習が始まった

須江監督は「2カ月弱空いたが、高校生はこんな短い期間に成長するんだなと。ひと回り大きくなって帰ってきたような気がします」。別々の環境で過ごす中でも部員らはオンラインミーティングを重ね、1人1人が野球に向き合ってきた。精神面だけでなく、限られた場所、限られた時間で努力を重ね、技術面を向上させ戻ってきた部員たちが、頼もしく見えた。

系列である秀光中の監督から18年1月に就任した指揮官にとって、今の3年生は1期生にあたる。センバツ、夏と2度の甲子園中止にも前を向く教え子に「最後まで何も変わらず、甲子園があったとき以上の熱量でやってくれると信じている。彼らが新しい目標を掲げ、それがかなって『やり切った』と言えるようにサポートしたい」と力を込める。

宮城県独自の代替大会開催は、まだ検討段階にある。それでも須江監督は「3年生が多くの方々に何かを伝える大会にしたい。それが保護者なのか、一緒にやってきた仲間なのか、後輩なのか。今年の夏はメッセージ性の強い大会になる。場所が甲子園でなくても、さまざまな場所が甲子園になると思う」。大会開催を信じ、部員と切磋琢磨(せっさたくま)していく。

田中主将は日本一に向けた練習継続を強調し「今は1、2年生に何を残していくかや自分たちの野球の完結、完成に向けてモチベーションを高く持ってやっていきたい」。全国制覇の夢は後輩に託すが、テーマである「面白い野球」完結へ3年生は歩みを止めない。【山田愛斗】

〇…プロ入りが目標の入江大樹内野手(3年)は「自分たちが目指しているのは質とかも合わせて日本一になる野球」と下級生に全国制覇への思いを託し、切磋琢磨(せっさたくま)する。県独自の代替大会開催は決まっていないが「打撃は引っ張りが多いので、今年は逆方向にも打てる、レベルアップしたところを見せたい」と意気込んだ。