一関一の背番号6、岩渕和希投手(3年)が、公式戦初完投勝利を挙げた。8安打されながらも、右横手から得意のスライダーを武器に要所を締め、144球の熱投で盛岡中央打線を1点に封じた。

「打たせてとるのが持ち味なので、とにかく丁寧に丁寧に投げた」。5回終了後には伊藤崇監督(39)から「今日は和希の日にするからな」とゲキを飛ばされ力にした。

昨秋は地区大会で敗退。「秋の悔しさからどれだけ変われるか」を目指し、チームテーマを「化」とした。「負けられない状況を作ってチャレンジしてみよう」と伊藤監督は「関高(かんこう)化けもの語り2020」をスローガンとした。昨年11月から週休2日制を導入するなど改革に乗り出した。自主練習に励む者、体のケアを行う者、塾に行く者。「休日を無にするのではなく有にしようと。練習がさらに濃密になって、いい集中力につながった」(伊藤監督)。

打線も10安打で6点とチャンスを逃さなかった。岩渕和は「昨夏のベスト8を超えたい。出番があった時はチームを助けたい」と頼もしく次戦を見つめた。【野上伸悟】