仙台育英(宮城)の最速149キロ右腕・伊藤樹(3年)が、東京6大学野球の名門、早大のスポーツ科学部にアスリート選抜入試で合格したことが分かった。「(合格が決まって)ひと安心しました。高いレベルで野球ができることにわくわくしていますし、楽しみです。1年生の春から投げられるようにしっかり準備していきたい」と気持ちを新たにした。

19年夏に1年生ながら甲子園デビューを果たし、2年夏は甲子園交流試合で登板。今春センバツでは、背番号1を背負いチームの8強入りに貢献。明徳義塾(高知)との1回戦では、2番手で登板し5回1/3を無安打6奪三振の好投で自身にとって「聖地初勝利」をつかんだ。だが、日本一を目指した最後の夏は4回戦敗退。「道半ば過ぎで敗れてしまった。大学の結果で返すしかないと思っている。(大学で)4年間活躍して須江(監督)先生に『ドラフト1位でプロに行きます』と連絡できれば、須江先生も喜んでくれると思う。すごく大事な4年間になってくる」と語った。

現在は、ウエートトレーニングを中心に汗を流している。サイドレイズを中心としたメニューで上半身を強化。ブルペン投球も行い、高校時代は封印していたツーシームを解禁。精度の向上に着手している。「小さく動くボールです。木製(バット)だと芯を外せばそんなに飛ぶことはない。全体的に投球がすごく良くなっている」と手応えを口にした。

決意を記した。色紙には「自分の発した 言葉が 未来を作る」としたためた。4年後のプロ入りを視野に入れ、さらなる成長曲線を描いていく。

◆伊藤樹(いとう・たつき)2003年(平15)8月24日生まれ、秋田・美郷町出身。小2から仙南東小(現仙南小)スポーツ少年団で野球を始め、秀光中教校(宮城)軟式野球部では中3時に全国中学総体準優勝。仙台育英では1年夏、昨夏の甲子園交流試合、今春センバツと甲子園に出場。好きな女優は松岡茉優。176センチ、78キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、祖母。血液型O。