札幌地区で南大会代表5校が決まった。酪農学園大とわの森三愛は立命館慶祥を12-8で下し、14年ぶり2度目、現校名では初の南大会出場を決めた。2番高野優大捕手(3年)が2回に2試合連続となる本塁打を放つなど3安打3打点で、16安打12得点の打線を引っ張った。2年連続の甲子園を目指す北海は札幌南に7-1で勝利。春の全道王者札幌第一は札幌創成に敗れた。

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酪農学園大とわの森三愛が打ち勝った。けん引したのは2番高野だ。2回2死二塁で3ボールから、真ん中高めの直球を振り抜き左中間越えに2試合連続となる1発。「打った瞬間いったとわかった」。2点差まで詰められていた8回には右前適時打を放ち貴重な追加点をもたらすなど、3安打3打点の活躍を見せた。

甲子園常連の岩手・盛岡大付の打撃をヒントにチームは練習を積んだ。木村浩輔監督(34)が関係者を通じて同校の関口清治監督(45)と知り合い、昨春遠征を行ったことが1つのきっかけだった。同校の打撃を見た高野は「打球音、打球スピードが全然違って圧倒された」と全国レベルの打力に驚いた。

打撃に定評がある強豪の練習を参考に、最初は見よう見まねで打撃のレベルアップに着手した。振る力を指標として表すため、スイングスピードの目標を設定。120キロ超を目安に、選手たちは自主練習も含め1日多い日で2000スイングすることもあった。効果は出た。高野は110キロ台から130キロを超え、140キロを超える選手も。この日の16安打12得点に結び付いた。

14年ぶり2度目の南大会切符をつかんだ。19年4月に現校名となり、3年生が入学した20年春に野球部が強化指定部になってから初の出場となる。今春にはユニホームを新調。高野は「甲子園というやっと目標に1歩近づけた。攻めの姿勢を貫き通して、このユニホームでしっかり戦いたい」と、力強く南大会を見据えた。【山崎純一】