覚せい剤所持容疑で逮捕された元プロ野球選手清原和博容疑者(48)が、逮捕前日に群馬県で覚せい剤を購入していた疑いがあることが5日、関係者への取材で分かった。北関東には暴力団関係者が仕切る覚せい剤の大型密売拠点があるとされ、その近くまで“遠征”し購入、帰京後すぐ使用した可能性がある。

 暴力団の取材を長年続けてきた溝口敦氏の話 覚せい剤は、指定暴力団の組織を横断した販売ルートで流通しています。売買は、組の代紋とは関係ありません。海外から仕入れた組から卸、仲卸、末端の売人を経て、依存者の手元に届く。海外からの仕入れを得意とする組もありますし、中国人が直接日本に入れる場合もあります。

 ある地方の指定暴力団が仕入れた覚せい剤が別の地方の指定暴力団に卸されていたケースは、警察の捜査でも明らかになっています。

 逮捕された清原容疑者が近い関係とされる指定暴力団は表向き、覚せい剤を禁止しています。末端の売人は、それ専業の人や元組員もいます。依存者が、近い組織とは別の組織の末端の売人から覚せい剤を買ったとしても、業界では当たり前のことであり、問題にはなりません。

 清原容疑者ほどの有名人になると、秘密の保持が必要です。常習者なら、なじみの売人から安全に入手できるルートを、東京にも大阪にも、群馬にも、各地に持っている。入手先の供述を拒んでいるのは、近いとされる組系の卸をまとめる卸元に遠慮しているのでしょう。(ジャーナリスト)