オリックスは痛恨の9回逆転サヨナラ負けも、ドラフト1位の吉田正が期待膨らむ2安打発進だ。7回は西武郭から詰まりながら左前に落とすプロ初安打。同点の9回は無死一塁から、左腕高橋朋の2球目スライダーに食らいついた。

 「打てのサインだったので、期待してくれているんだなと思った。(空振りした)1球目に思い切り振れたのが良かった」。体が泳ぎながら、しぶとくゴロで中前打。一時は勝ち越しの4点目を演出した。

 3打席目まで、菊池に自慢のフルスイングをさせてもらえなかった。「正直、球が見えていなかった。変わってくれた投手(郭)が好きなタイプだった」。すぐに切り替えるハートの強さを持っている。

 故障で出遅れ、オープン戦ラスト3試合の出場のみで1軍に滑り込んだ。しかも球団の新人で73年ぶりの開幕戦1番。緊張で睡眠不足でもおかしくないが、試合前は平然としていた。「起きたら母校(敦賀気比)が試合してて。寝ぼけながらテレビを見てました」。

 大物感たっぷりのマルチ安打に、福良監督も「期待通り。これからも自分のスタイルを続けてくれたら」と合格点を与えた。開幕戦は5年連続の黒星。その中で、シンデレラボーイの活躍が今後への確かな光明となった。【大池和幸】