一塁福留もある! 阪神金本知憲監督(48)は15日、一塁レギュラーを3年間務めたゴメスの退団が正式発表されたことを受け、右翼福留の一塁コンバート案を初めて明かした。捕手原口も来季は一塁併用、もしくは専念の可能性があり、一塁争いが一気にヒートアップ。FAでは糸井嘉男外野手(35)の獲得が秒読み段階で、分厚い新布陣が予想される。

 ゴメスは来季、もういない。スタメン表の一塁欄にポッカリ穴があく。「競争です。もちろん」。金本監督は一塁争いの激化をあおった上で右翼福留の一塁コンバート案を初めて公言した。

 金本監督 (一塁福留という考えは)頭には入っていますよ、もちろん。

 FA獲得を狙う糸井の本職も右翼。中堅起用すれば右翼福留との共存が可能だが、福留は来季、40歳シーズン。一塁併用という選択肢が増えれば、体の負担を軽減できるのは間違いない。指揮官は「まだ(福留との話し合いは)今から」と説明。まず直接会談で思いを伝えることになる。

 一塁福留が誕生した場合、ポジションを巡る争いは激化の一途をたどる。注目は原口の起用法だ。秋季キャンプでは正捕手争いの真っただ中にいる。指揮官は「(捕手を)やりたいでしょ」と理解を示すが、右肩に不安を抱えているのも事実。今季は一塁で9試合出場。近い将来の4番候補と期待する、今季打率2割9分9厘、11本塁打の潜在能力を生かさない手はない。

 金本監督 原口の打撃はやっぱり捨てがたい。打力だけならレギュラーとして最優先されるべき選手。そのレベルまでいっている。

 捕手起用するかどうかを判断するタイミングは、来春。指揮官は「2月いっぱいまで見て。オープン戦まで入るかな」と、見通しを明かす。「1年間、原口で100試合いけるとなるかもしれない。判断するのは矢野コーチ。半分ぐらいと言うかもしれないし、肩の状態を見ながら、と言うかもしれない。基本的に捕手として諦めようとなるかもしれないし」。仮に一塁併用、もしくは専念する形になれば、一気にレギュラー候補に躍り出ることになる。

 今季は大砲候補の23歳中谷も5試合、一塁を守った。新井、今成ら中堅組も黙ってはいない。さらに指揮官は「新しい外国人選手がファーストかもしれないし」とも付け加える。福留転向か原口参戦か、はたまた…。ハイレベルな競争が見られれば、チーム力は確実にアップする。【佐井陽介】