中日のドラフト1位候補に魅惑の怪腕が浮上した。12日、名古屋市内でスカウト会議を開き、1位候補を5人に絞った。中でも注目は最速151キロ右腕の青藍泰斗(栃木)石川翔投手(3年)だ。

 森監督や球団幹部を交えて約3時間。まず、ドラフト1位は「素材重視」の方向性を打ち出した。1年目の成績を求めるのではなく、数年後に間違いなく主力になる人材だ。

 そこに石川の名前が入った。直接視察もした中田スカウト部長は「捨てがたい。石川を入れて5人。150キロを投げるし、何年か経ったら強烈な投手になる」とほれ込んでいる。

 約80選手のリストから1位候補を絞り、先に石川以外の4人が決まった。早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)のほか、社会人のヤマハ・鈴木博志投手(20=磐田東)とJR東日本・田嶋大樹投手(21=佐野日大)。高校生野手では広陵(広島)中村奨成捕手(3年)。社会人の2人も高卒3年目で、即戦力ながら成長の余地も多い。

 同部長は個人的な評価として「俺は鈴木。救援だけでなく、先発でも9回に150キロが簡単に出る。ポテンシャルが高い」とも強調した。最終的には他球団の動きも見ながらドラフト前日の会議で決まるとみられ、清宮を指名するかどうかの選択から始める。

 長期的なチーム作りを進める過程だけに、石川を選ぶ可能性も十分だ。鈴木、柳、笠原、小笠原ら今年台頭した若手がひしめく竜投スタッフにまた1人、金の卵が加わるかもしれない。【柏原誠】