「小学生ベースボールクリニック2017」が10日、ハードオフ新潟の室内練習場で行われ、DeNA飯塚悟史投手(21=日本文理)らが講師を務めた。県内の小学生20チーム、約300人が参加。元巨人捕手の加藤健氏(36=BC新潟球団社長補佐、新発田農出)、元ヤクルト投手の本間忠氏(40=日本文理出)、BC新潟の田村勇磨投手(23=日本文理出)と知野直人内野手(18=三条市出身)の新潟出身者も講師となり、投手と野手に分かれて基本指導を行った。

 DeNA飯塚が担当したのは、投手陣のキャッチボールだった。「野球は楽しくやるのが一番。楽しくやれば、うまくなる」と最初に教え、「野球で一番大事なのがキャッチボール」と、実技に入ると真剣さを求めた。「コントロールをつけたかったら胸元に投げる」「自分はキャッチボールで疲れるくらい、気を張ってやっている」と時折、現役選手ならではのアドバイスを挟みながら、1人1人のプレーをチェックした。

 参加した五泉フェニックスの川俣謙心投手兼内野手(五泉南小5年)は「好きな球団はDeNA。好きな選手は1番が筒香嘉智選手(26=外野手)で、2番目が飯塚選手」と目を輝かせた。続けて「隣でボールを受けた飯塚選手のグラブが『パチッ』と大きく鳴ってすごかった」と、あこがれの選手に指導を受けて興奮気味だった。飯塚も「この中から対戦する選手、同僚になる選手が出てきてくれたら」と目を細めた。

 プロ3年目の今季は、シーズン途中に1軍に初昇格。先発ローテーション入りし、9試合(先発8試合)に投げて1勝3敗、防御率4・29だった。初登板初先発した6月19日のオリックス戦では勝ち星こそつかなかったものの、5回を無失点と好投。「初登板は吐きそうになるくらい緊張した」という飯塚は、指導の合間に質問タイムを開催。「ルーティンはある?」という問いには、「前日に肉を食べず、うどんや米などの炭水化物を大量に取る」と答えた。

 グラウンドを雪が覆ったため、室内練習場での指導になった。飯塚は「寒さを気にしない熱いパワーから元気をもらった」と地元の小学生の熱気に、来季に挑む力も注入された。「来年4月に新潟開催のゲームがある。そこで凱旋(がいせん)登板したい」。来季の先発ローテーション入りへ、気持ちを高める地元での野球教室になった。【涌井幹雄】