広島野間が人生初のサヨナラ打を放った。1点を追う9回1死二、三塁で、日本ハムの守護神トンキンの低めの変化球を捉えた。1死一、三塁で初球のセーフティースクイズはファウルだった。切り替えて一塁走者の鈴木が二盗を決めた直後に中前に2点適時打。お立ち台で「最高です!」と絶叫し「とにかく必死。三振しないようにと思った」と2位DeNAとのゲーム差を今季最大の5・5に広げた一打を振り返った。

 中部学院大からドラフト1位で入団した4年目。昨季まで主に守備と走塁で貢献してきたが、今季は課題だった打撃で猛アピールを続ける。規定打席には到達していないが打率は3割5分7厘。5月上旬からスタメンに定着し、今季28度目の先発出場は自己最多の1年目の15年に並んだ。

 緒方監督は「今日はほめておこう。まだまだ課題も多いが、こういうところで最高の結果を残してくれた」と賛辞を贈った。歓喜の輪の中で手荒い祝福を受けたチームのいじられキャラは「蹴りが飛んできた。(かける)水を誰も用意してなかった。他の人とは祝福が違いますね」。少し首をかしげながらうれしそうに12球団最多19度目の逆転勝ちの余韻に浸った。【大池和幸】