巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が投打に大活躍だ。阪神をわずか2安打に抑え、来日初完封で4勝目。4回には阪神秋山から、左中間に適時二塁打を放った。18打席目での来日初安打が、チーム25イニングぶりの適時打。3連敗阻止、2位再浮上の立役者となった。

びっくり仰天の初体験だった。1点リードの4回2死一塁。両打ちのメルセデスが左打席に立った。カウント2-2。秋山の139キロ直球に右手1本のスイングで食らいついた。左中間を破る適時二塁打で、貴重すぎる追加点をもたらした。18打席目での来日初安打はチーム25イニングぶりの適時打。「自分でもまさかと…。びっくりしました」。高々と掲げた右腕をゆらゆらとさせて、ドミニカンらしい独特のリズムで喜びを表現。信じられないと言わんばかりにヘルメットに両手を当てた。

いつ以来の安打か問われると「う~ん…覚えていないよ。プロに入ってからは打席に立ったことがないからね」。最後に打った安打は14歳。地域の草野球だ。好きな打者はマニー・ラミレス、アルバート・プホルス、ロビンソン・カノで「ラミレスのものまねはよくやっていたよ」。強打者に憧れた少年時代からすくすく成長し、異国の地で大人になっての“初安打”だ。

一方、本職の投球は大人の投球だった。右打者を7人並べた相手打線に、カット気味の直球とスライダーで内角を攻めた。外角へ沈むチェンジアップとのコンビネーションで5回まで無安打投球。二塁すら踏ませぬ好投で2安打初完封。4勝目を挙げた。

高橋監督が“孝行息子”の活躍を「正直、あんまり期待していなかったけど、びっくりしました。ヒットも打ったし、1人でとは言わないけど、大活躍の1日」と大絶賛すれば、メルセデスは「ホームランでもゴロでもいい。とにかく力強く振っていきたい」。びっくり仰天の成長期が止まらない。【桑原幹久】