福岡で出直しタイ! 「SMBC日本シリーズ」の第2戦は、ソフトバンクの超攻撃的布陣が裏目に出て完敗した。工藤監督は今季4試合しか守っていないデスパイネを左翼で起用したが、勝敗を左右する打球が飛ぶなど終始広島ペース。打線も4安打1得点に抑え込まれた。1敗1分けで、明日30日からは舞台をホームに移して第3戦。ヤフオクドームでの日本シリーズは9連勝中の好データと、タカ党の大声援をバックに巻き返しに転じたい。
ソフトバンクの「超攻撃的オーダー」が裏目に出た。工藤監督は今季交流戦で4試合しか守らせていないデスパイネを5番左翼で先発起用。1番には左キラーの川島を入れ、左太もも裏を痛めていた今宮を2番で並べた。CSファイナルステージ第2戦以来、5試合ぶりに松田宣も三塁で先発復帰させた。内川が前日27日の死球の影響でベンチを外れ、体調不良の上林もスタメンから除外。打ち勝つという工藤監督の明確な意思を示した布陣だった。
だが初回、いきなり先頭の田中の飛球が左翼デスパイネの前に飛んだ。スライディングしながらグラブを出したが、後ろにそらして二塁打。先制点につながった。工藤監督は「あの当たりはどの外野手でも捕れない。しょうがない」と責めなかったが、悪い流れは止まらない。
3回には無死一塁で菊池の二ゴロを川島が二塁へ悪送球。ピンチを広げて2点を追加された。川島は「(送球が)引っかかった。ミスはするし、引きずるが、このあとをどうするかが大事」と懸命に前を向いた。
だがやられっ放しでは終わらない。打線はジョンソンの前に沈黙していたが、0-5の7回2死一、三塁から松田宣が意地の中前適時打。完封負けを阻止した。松田宣は「1本打てたが、負けたので。この2試合、ホームの勢いを感じた。次は福岡での試合。どっしり構えて戦いたい」。明日30日からホームで戦う3連戦に気持ちを切り替えた。
今季6月15日からの広島との交流戦3連戦はヤフオクドームだった。カープ人気で三塁側内野席も真っ赤。OBの松中氏が「こんな光景は見たことない」と驚くほどだったが、2勝1敗と勝ち越した。そして心強いデータがある。ヤフオクドームでの日本シリーズは何と、11年の中日との第7戦から9連勝中だ。
ヤフオクドームでは指名打者が使えるため、デスパイネも打撃に専念できる。今日29日は野手陣は完全休養。上林も回復できる。工藤監督も「日本シリーズは4つ勝った方が勝つ。しっかりと切り替えて自分たちの戦いをしていく」と気合を入れ直した。福岡の街も2年連続日本一への期待が高まっている。第3戦からはタカ党の大声援を受け、形勢逆転を目指す。【石橋隆雄】
▼ソフトバンクはヤフオクドームで開催の日本シリーズで、11年第<7>戦から9連勝中。この9試合すべてで先制点を挙げており、先行すると一気に流れをつかみ逃げ切っている。なお工藤監督は、15年に初めて日本シリーズで指揮を執って以来、本拠地で5戦全勝を誇っている。