日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が2日、ドラフト1位、金足農(秋田)吉田輝星投手(18)の“教育係”に立候補した。秋季キャンプ中の沖縄県国頭村で、注目ルーキーについて「ビシバシやりますよ」とニヤリ。自らの体験を振り返り、プロ1年目の助言を授けるとともに「ちょっとは僕の仕事も楽になるかな」と、冗談っぽく下心ものぞかせた。

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清宮流の新人教育は、超スパルタになるかも!? 秋季キャンプで連日汗を流す清宮が、今夏の甲子園で話題をさらった準V右腕にルーキーの心得を伝授する。この日、20スイング×4の連続ティー打撃に30メートル×3のシャトルランで、くたくたに疲れ切っていた背番号21は、間もなく入団してくる後輩たちの指導について「ビシバシやりますよ」と、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。

早実(東京)では主将を経験。「言葉で諭すタイプ。いつも練習前後に一言、しゃべっていました。どうやったら後輩に思いが伝わるのかなとか、少しでも印象に残るようにと考えていました」と、年齢の近い後輩の扱いはお手の物だ。

この1年、プロの世界で多くのことを学んだ。良くも悪くもマイペースで、時には先輩たちを苛つかせたこともあった。心配した荒木2軍監督が、親心で高卒3年目の平沼と同2年目の郡を清宮の教育係に指名。「新人の仕事を『あれは、やった? これは、やった?』と確認してくれた」と感謝する。今度は、自分が下の世代に伝えていく番だ。「プロは取材やファンが多い。僕はファンが見ている中で練習をすることに、最初は戸惑った。見られることに慣れるのが大事。しんどいと思っても、そのうち慣れますよ」と助言した。

栗山監督は「なるべく、やりやすい環境を作っているつもりだけど、同じ世代の選手が入ってくれば、いろいろな意味で幸太郎にとってもプラスαな部分が出てくるんじゃないかな」と、スター選手同士が出会う相乗効果に期待する。重圧との折り合い、押し寄せる報道陣の対応など、吉田を待ち受ける試練は多いが、最強の先輩が全力でサポートする。【中島宙恵】