日本ハムのドラフト6位、成田・田宮裕涼(ゆあ)捕手(18)が、護摩行で「日本一の捕手」になることを祈願した。19日、千葉・成田山新勝寺で契約金2000万円、年俸480万円(金額は推定)で仮契約。契約の約30分前には大本堂の燃え上がる炎の前で不動真言を唱え、祈りをささげる護摩行に臨んだ。金色に輝く不動明王を前に「プロ野球選手として活躍出来るように」と手を合わせた。

縁ある場所で、プロの1歩を踏み出した。同寺は高校の徒歩圏内で、宗教授業の一環や夏の大会前の必勝祈願で何度も訪れてきた。プライベートでも正月に参拝する寺社の1つで、護摩行は、この日で7度目。成田の先輩で、担当の岩舘スカウトに勧められて仮契約前に、心身を引き締めた。絵馬には「日本一の捕手」と書き記し「今は走攻守、そろった捕手はいないと思っている。自分がなれたら」と誓いを立てた。

堅実にプロの道を歩んでいく。小学1年から同じ左打ちの巨人阿部を目標に、高校通算16本塁打。二塁送球は最速1秒84で「いつか“ユアキャノン”をつくりたい」と、強肩のソフトバンク甲斐にあやかろうとしている。50メートル走は6秒台前半と、捕手ながら総合力が高く評価された。「1年目から1軍で出られるとは思っていない。3年目くらいで、しっかり1軍に出られるようにしたい」。不動明王のようなまなざしで目標を見据え、実現へと歩んでいく。【田中彩友美】