4年目に勝負をかけるソフトバンク高橋純平投手(21)が、「桑田式」で原点に立ち返る。22日、筑後で自主トレを行い、巨人の元エース桑田真澄氏が提唱する「桶(おけ)トレ」でフォームを体にすり込ませた。

「桑田さんがやっていた、桶を使う練習です」。ブルペンで肩幅大の皿のような練習器具を両手で抱えた、シャドーピッチングの動きを繰り返した。実は、父に勧められ、高校時代に取り組んでいたトレーニングだった。

肩幅大の桶に水を入れ、軸足に体重を乗せるときに少し水をこぼす。その後、桶を持ったまま重心を前に移動させる。体重移動や下半身の使い方を体に覚え込ませることで、投球フォームを固める狙いがあるという。

3球団が競合した15年ドラフト1位。だがここまで1軍登板は17年の1試合のみだ。「今年はダメだったらクビくらいの感覚。自分の特徴を伸ばさないといけない」。言葉には強い決意がにじんだ。

これまでは「コントロールを意識しすぎて、まとまろうとしすぎる中でスピードが落ちていた」と感じている。だが、高校時代は150キロを超える速球で沸かせた右腕だ。「コントロールはいい人にお任せして、最低限、四球を出さないように、スピードにこだわりたい」。練習も高校時代に取り組んだ原点に戻り、剛腕復活をかける。

昨秋、工藤監督から「頭で考えるより先に、体が動くように」と助言された。体で覚える地道な作業は続く。純平ここにあり、を示す1年にする。【山本大地】

◆高橋純平のプロ入り後 1年目はフレッシュオールスターで自己最速を更新する154キロをマークして1回無失点も、1軍登板はなし。2年目は17年4月14日のオリックス戦(ヤフオクドーム)の6回に2番手で1軍初登板したが、いきなり先頭のT-岡田にソロを被弾。小谷野にも1発を浴びるなど3回4失点の洗礼を浴びた。3年目の昨季は1軍登板なく、プロ3年間での1軍登板は17年の1試合だけにとどまっている。