プロ野球界へ恩返しだ。元ヤクルトの角冨士夫氏(62)が13日、東京国際大での指導を開始した。

東京新大学野球連盟1部の同大監督に就任。この日、埼玉・坂戸のグラウンドを訪れ、部員らと初対面した。目指すのは、攻撃的野球だ。「とにかく攻めることをモットーにやりたい。投手はインサイドを強気に攻める。打者は初球から。カウント3ボールからでも打たせる。積極的に。走るのも、どんどん走っていい。守備も、待ったんじゃボールは捕れない。攻めながら捕りにいく」と熱っぽく訴えた。

同大で特命教授を務める古田敦也氏の推薦があった。昨秋にオファーを出した。ヤクルトで同僚だった古田氏は「口数は少ないが、非常に熱い人。もともと内野手で、2番打者で小技もできる。チームに必要なもの、野球をご存じ。学生を指導するにはうってつけの方」と期待の言葉を並べた。

角新監督は94年の現役引退後は、コーチや編成部門を歴任。前々からアマチュア野球の指導者をやってみたかったという。プロとの指導の違いを問われると「やることは変わりません。でも、レベルを上げすぎるとついて来られない。コーチを15年、やりましたが、その選手と同じになって、なぜできないのか、選手と同じ気持ちで1つ1つという風にしていけばいい」と話した。

理想の指導者については「広岡さんは体で覚えなさい、と。野村さんは頭で。2人をプラスしたら一番いいのかな」と、ヤクルトでの恩師2人を挙げた。最後は「プロ野球で44年間。ここで良い選手を育ててヤクルトに入れたら、恩返しになりますね」と決意を口にした。