ソフトバンクが天王山を前に痛い1敗を喫した。本拠地ヤフオクドームでの7連戦最終日。移籍後初、プロ2度目の先発となる松田遼を皮切りに救援陣でつなぐ「ブルペンデー」をもくろんだが、6投手が10安打10四球で11失点の大炎上だ。試合のなかった2位西武と0・5ゲーム差に縮まり、11日から敵地で最後の直接対決2連戦に臨む。

思い描いていたプランは早々に崩れ去った。オープナーで起用した松田遼が3回途中4失点。2番手椎野、4番手奥村、5番手の杉山もロッテ打線を止められず、失点を重ねた。9回には5点ビハインドの展開で勝ちパターンの1人である高橋純を投入せざるを得なかった。

工藤監督は「四球というのは失点につながる。もったいなかったな…と思う」と、唇をかんだ。苦しめられたロッテとは今季最後の対戦だったが、2勝10敗だった敵地ZOZOマリンスタジアムに続き、ヤフオクドームでも6勝7敗と負け越しが決まった。

V争いを演じる西武とは、前回の直接対決後の3日からは5勝1敗と全く同じ星取だった。1ゲーム差を維持していたが、ここで初めて均衡が破れた。2連戦を終えれば、どちらかに優勝マジックが点灯する。

指揮官は「とにかく、1試合1試合。そこに集中してやるだけです。切り替えていきましょう」と声のトーンを上げた。引きずるわけにはいかない。前を向くしかない。【山本大地】

▽ソフトバンク王球団会長(ロッテに敗戦)「もう明後日(11日の西武戦)からだからね。乗り越えていくしかないよ」

▽ソフトバンク松田遼(2年ぶり先発も3回途中4失点)「久しぶりの先発も緊張はありませんでした。1人1人アウトを取ろうと思ったが、(初回の)先頭に長打を打たれて簡単に先制点を与えてしまった。迷惑をかけてしまった」