西武がマジックを2とし、リーグ連覇に王手をかけた。辻監督は表情を緩めることはない。ペナントをかけた勝負はまだついていない。戦況を見極め、勝負どころで采配を振った。

8回2死から3者連続四球で満塁。代打メヒアを送った。メヒアは追い込まれてからボールを1球見送ると、内角への153キロ直球を左中間に落とす走者一掃の勝ち越し3点適時二塁打。20日の本拠地最終戦でも代打サヨナラアーチを描いた救世主に、指揮官は「今日もメヒアさまさま。いいところに飛んでくれて、助けてくれた」と感謝した。

序盤、主導権の取り合いを制した。3回無死三塁のピンチ。内野は前進守備で構えた。先制されれば流れを渡しかねない。すると先発の本田が、三直と盗塁死、二塁ゴロで無失点に封じ「点を与えず、こっちに流れがきた」と直後の攻撃で2点を先制した。7回に追いつかれても直後に勝ち越し。1度もリードを許すことなく、楽天に勝ちきった。

試合前は少し迷っていた。「サンペー(中村)が疲れているし、栗山もDHで使いたい。そうするとサンペーが三塁に入ってもらうしかない」。8回に勝ち越した場面は、その中村が四球を選んで始まった。

2連覇へマジック2、残りは2試合。「だから、試合数とマジックが一緒ならマジックじゃないんだって」。はなから全部勝つつもり。最短優勝は24日。他力に頼らず、無欲で臨む。【栗田成芳】

▼西武がM2となり、優勝に王手をかけた。24日に西武V決定の条件は西武がロッテ戦に○、ソフトバンクが楽天戦に●。今日にも優勝が決まる西武だが、西武●でソフトバンク○か△、西武△でソフトバンク○は、西武のマジックが消え、ソフトバンクにM2が再点灯する。