「ハンカチ世代」ドラ1が現役を引退する。西武大石達也投手(30)が3日、球団から来季の契約を結ばないことを通告された。

今後は現役を引退し、今年から新設された「ファーム・育成グループ」のスタッフとしてチームをサポートする。

球団事務所を出た大石は「野球は続けるつもりはありません。ほぼほぼ悔しい思いしかしてないが、9年間もやってこれたのは、今後の人生の中で良い経験になるのかな」とサバサバとした表情。今後について「球団から話を頂いていますので、それを受けようと思います」と話した。10年ドラフトで6球団競合の末にクジを引き当てた当時監督の渡辺GMは「今年は(MLB)メッツと提携したこともあるし(派遣も含め)大石をうまく生かせたらと。やらせたいことはたくさんあります」と期待した。

10年ドラフト1位入団。同期の斎藤(日本ハム)福井(広島→楽天)とともに「早大ドラ1トリオ」として注目された。大学時代に最速155キロを誇った右腕もプロでは度重なる故障に悩まされ、通算5勝6敗8セーブ。今季もわずか2試合の登板に終わった。「もうちょっとやれたかなというのはあります」。今後は幅広くチーム力の底上げ、選手育成に関わっていく見通し。現役時代の悔しさは第2の野球人生で晴らす。【鈴木正章】