西武が17日のドラフト会議で大船渡・佐々木朗希投手(3年)を1位指名の筆頭候補に挙げていることが14日、分かった。

最速163キロを誇る超高校級右腕への評価は一貫して高く、渡辺久信GM(54)は繰り返し視察してきた。98年ドラフト松坂大輔をはじめ、伝統的に本格派右腕の育成には経験と実績がある。すでに日本ハムが指名を公言しており、競合必至の令和の怪物に狙いを定め、交渉権を引き当てる。

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西武が平成に続き、令和の怪物に手を挙げる。佐々木をドラフト1位指名筆頭候補に挙げていることが判明した。最速163キロをマークした怪物右腕の動向を注視してきた西武は、一貫して特A級の評価をしてきた。高卒1年目から即戦力としての起用を考えると同時に、規格外の計り知れないポテンシャルに、熱視線を送り続けてきた。競合必至であることを度外視して、1位指名に乗り出す。

21年前に3球団競合の末、松坂との交渉権を引き当て、世代の怪物とは縁がある。松坂は高卒1年目から16勝挙げ最多勝を獲得。球界を代表する右腕としてメジャー挑戦まで後押しするなど、怪物育成のノウハウはある。伝統的にドラフト戦略による本格派右腕の指名と育成をしてきた歴史もあり、その経験と実績は他球団と比べても際だつ。満を持してドラフト前日16日の会議で最終決定に踏み切る。

渡辺GMは自らの足で出向き、その目で見続けてきた。6月の練習試合から水沢スカウトとともに視察。夏の県大会にも足を運び、8月下旬にはU18W杯が開催された韓国・機張まで渡った。指のマメの再発があったものの、9月13日の編成会議後には、投手の指名が基本線であるとした上で「佐々木君に関しては評価が変わりようがない」と候補トップ3に入っていることを明言。10月5日には「うちのスカウトは佐々木君が中学生のときからずっと見ている」と自信を込めていた。

育成には絶好のタイミングでもある。今季リーグ2連覇を果たしながら、13日に2年連続日本シリーズ進出を逃した。それでも打撃力は12球団随一。同GMは「打線がいい間に、助けてもらいながら投手陣が育たないといけない」と投手の積極的育成を宣言。実際に今季、高橋光や今井らドラ1の好素材が成長している。最強山賊打線と投手王国。両面で整ったとき、黄金時代が到来する。その中心に令和の怪物・佐々木を置きたい。