広島長野久義外野手(35)が12日、広島市内の球団事務所で契約更改に臨み、5000万円ダウンの年俸1億7000万円でサインした。

会見では「10回目の契約更改になりますけど、1回も値段は言ったことがないので、控えさせてください」と金額の明言は避けたものの、23%の大幅減となった。

巨人にFAで移籍した丸の人的補償で加入した今季はプロ10年目で自己最少の72試合の出場にとどまり、打率2割5分に5本塁打、20打点といずれも自己最低だった。「チームが勝てなかったことが一番悔しかった。その中で自分の成績も良くなかったので、申し訳なく思っています」。

再起へ今オフのテーマには下半身の強化を掲げた。「夏場以降足が動くようになっていた。その辺がよかったと思った。(オフは)走り込みを中心にやりたい」。序盤は本領を発揮できず、7月上旬に2軍降格。8月下旬に再昇格を果たし、9月は打率3割1分3厘、3本塁打、12打点と奮闘した。復活の理由を「(2軍の)由宇の外野がベンチから遠いので、いっぱい走り込みました」とニヤリ。自主トレ場所は例年明かしていないが、「尾道で…」と長野節のリップサービス全開で、極秘を貫いた。

この日マツダスタジアムを訪れた高ヘッドコーチが秋季練習中に長野が「気合入れて、もう1回やります」と話していたことを明かした。2月春季キャンプは「暖かいところで」と体調を考慮し、2軍・沖縄キャンプ始動プランを検討中。今季終盤の活躍について、高コーチは「あれが本来の姿。スロースターターと聞いていたけど、チームはなるべく開幕ダッシュをしたい。来年は開幕も早まるので」とシーズン序盤での活躍を期待した。

今オフには保有していた海外FA権を行使せず残留。「このチームで優勝したいという思いと、カープファンの皆さんに格好いい姿を見せたいと思ったのが一番の要因です」とあらためて残留決意の理由を打ち明けた。広島移籍2年目の来季は開幕からフル回転で逆襲を期す。【古財稜明】