ソフトバンク高橋純平投手(22)が「金メダルロード」から飛躍を狙う。プロ4年目の今季は中継ぎとしてブレーク。来季は先発挑戦も視野に入れる右腕は年末年始も地元岐阜で休まず体を動かす予定だ。

同郷のシドニー・オリンピック(五輪)金メダリスト高橋尚子さんがかつて練習したという「高橋尚子ロード」でのランニングなどで、レベルアップの冬を過ごす。

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プロ4年目にブレークした高橋純はこのオフ、イベント出演などが一気に増えて多忙なオフを過ごしている。45試合に登板し、プロ初勝利を含む3勝。来季、さらなるステップアップへ、着々と準備を進めている。1月は松田宣に弟子入りし、米グアムでの自主トレを控えているが、年末年始は地元の岐阜で過ごす予定だ。

「五輪もあって、開幕が早い。1週間前倒しで準備しないと。ウエートだったり、体のケアだったり、岐阜にいる間にできることは完成させたい」。体を完全に休めることはせず、ほぼ無休で動く。「大みそかにせよ、年始にせよ、何かしら体を動かすつもりではいます」。ウエートトレーニングが中心だが、もう1つの柱が「ランニング」だ。

来季は先発挑戦の希望を首脳陣にも伝えており、スタミナ強化の意味でも走ることを重要視している。そんな右腕に絶好のロケーションがあった。「高橋尚子ロードもあるんです」。女子マラソンでシドニー五輪金メダルを獲得したQちゃんこと高橋尚子は同じ岐阜出身。県岐阜商時代にトレーニングした長良川河川敷のコースを、岐阜市が整備して命名したのが「高橋尚子ロード」だ。故郷が生んだ金メダリストにあやかり、鍛錬の場にするつもりだ。

今季の活躍が自覚をもたらし、オフの過ごし方にもプラスに影響している。「ぼくの同級生が大学からプロに入ってくるまでに、1軍で結果を残したいという思いがあった」。15年に3球団競合のドラフト1位で入団。プロ4年目までに爪痕を残したいという強い思いがあった。「新しく入る人たちに違いを見せられるように。自信を持って、行動で見せていきたい」。春季キャンプから、ドラフト3位の津森ら同学年ルーキーに引けを取らないように。そのための準備は惜しまない。20年東京五輪イヤーに向けて、成長著しい右腕が「金メダルロード」で足場を固めていく。【山本大地】

◆高橋尚子ロード 高橋尚子のシドニー五輪金メダルをたたえ、県岐阜商時代に練習したコースを岐阜市が整備して命名。長良川沿いの往復5キロのランニングコース。スタート地点の長良川公園には高橋尚子の靴と足型のモニュメントも設置されている。

◆ソフトバンク高橋純の19年 5月に2年ぶりの1軍昇格。敗戦処理からのスタートだったが、徐々に地位を高めた。6月29日の日本ハム戦では1点ビハインドから1回2/3を無失点に抑え、プロ初勝利。翌30日の同戦でも白星を挙げると、同点やリードの場面での登板が増えた。45試合に投げ3勝2敗17ホールド、防御率も2・65と好成績を収めた。