日本ハム吉田輝星投手(19)が、成り上がりを果たして春季キャンプ完走を誓った。1月31日、羽田空港から空路で沖縄入り。1軍より4日間短い日程の2軍スタートだが、キャンプ中に1軍昇格を果たして最後まで沖縄に残留することが当面の目標と明かした。

まずは今季初実戦となりそうな15日に行われる1、2軍合同の紅白戦(国頭)でインパクトを残すため、状態を上げていく。

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吉田輝が2年目のキャンプで掲げるテーマは、下克上だ。沖縄入りする前の羽田空港で、力強く宣言した。「実戦で復活できたら、もうそこから1軍に帯同できるようにしたいなと思います」。昨秋に訴えた右肘違和感も順調に回復しているが、スタートは国頭の2軍キャンプ。1軍は25日までの日程だが2軍は21日で打ち上げる。それまでに昇格して、キャンプを完走することが目標だ。

先輩右腕にも、その思いは伝えている。左膝のリハビリ中で、ともに2軍スタートとなる上沢だ。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレ中に上沢と、こんなやりとりがあった。

上沢 一緒に国頭、完走するぞ!

吉田輝 いや…僕はちょっと、1軍に上がらないとまずいんで。

上沢による場を和ませる冗談だったが、吉田輝は「もっと頑張ろうと思えた」と目標を再確認した。

名護キャンプへ合流するには、実戦で首脳陣へのアピールが必要だ。右肘の状態も上がっており、ここからは変化球の解禁と投げるスタミナを付けることが課題。目指す今季初登板の舞台は15日に国頭で行われる紅白戦となりそうだ。

栗山監督もこの日、あらためて「競争を激化させる。競争に勝った人が試合に出られる。シンプルな形」と明言した。今キャンプ中も下克上のチャンスは誰にでもある。吉田輝も「投げられない時でもウエートや走り込み、ストレッチもしっかりやって、不安なく1年間を過ごせる体にしたい」と巡ってくるチャンスに備えるつもりだ。

もう1つ、はい上がる原動力となっているのはドラフト同期で1軍スタートの万波。自身はドラフト1位河野と同5位望月との3人部屋だが、万波は1人部屋で「せこいですね」と苦笑いしたが、置かれた立場を変えられるのは自分次第。2年目の春季キャンプを飛躍の起点とする。【木下大輔】