ソフトバンクの快速左腕が猛アピールだ。4年目の古谷優人投手(20)が8日、宮崎春季キャンプでシート打撃に登板。松田宣ら侍ジャパン勢3人を封じるなど、打者9人から5奪三振。1四球の無安打に抑え込んだ。早くも151キロをマークした直球と、切れ味鋭いスライダーで開幕1軍入りへ存在感を高めてきた。

侍のバットが空を切った。最初の打者は松田宣。初球は直球をファウルにさせた。2球目は高め直球で空振り。1ボールの後、4球目は外から内に入るスライダー。鋭い決め球で見逃し三振に仕留めた。その後も甲斐をスライダーで空振り三振。俊足の周東も遊ゴロ併殺に打ち取った。外野にすら1球も飛ばさせない快投で圧倒した。

古谷は「いいアピールになったかなと思います。もう少しファウルになるかと思ったけど、思ったよりも空振りが取れた」。工藤監督も「古谷君が良かった。ストライクゾーンで勝負できていた。今までは四球が出たら崩れるところがあったみたいだけど、精神的にも強くなったのかな。このままいってくれれば、紅白戦、オープン戦とありますが、十分そこ(開幕1軍)にいける1人ではないのかな」と高く評価した。

北海道・江陵高時代に154キロを投げ、プロ入り3年目の昨季は3軍戦で日本人左腕最速の160キロもマークした。制球面に課題があり、1軍登板はまだない。オフは下半身強化に力を入れ「私服は全部入らなくなりました」とサイズアップ。安定した下半身を手に入れ、制球力がついた。

1年目オフには左手血行障がいを発症。完治はしておらず、ケアしながらプレーを続けている。朝は気温が低い今キャンプでも手袋にカイロを入れるなど、対策している。目指すはリリーフエース。「モイネロのように使われる選手になりたい」。まずは開幕1軍をつかみ取る。【山本大地】