中日ドラフト5位の岡林勇希外野手(18=菰野)がDeNAとの2軍練習試合(読谷)で2打数2安打と結果を出し、1軍切符をたぐり寄せた。

仁村徹2軍監督(58)は「ファームで一番いい打者。1軍に推薦したい」と3月3、4日の西武とのオープン戦(岡崎、岐阜)での初昇格を示唆した。同1位の石川昂弥内野手(18=東邦)は左肩を痛めて離脱中。高卒新人の伏兵が一足早く1軍デビューを決めそうだ。

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1軍クラスの投手にも、18歳は動じなかった。沖縄2軍キャンプでの最終戦。4回守備から藤井に代わって出場したドラフト5位ルーキー岡林が、輝きを放った。

6回1死一塁。DeNA先発陣の一角を担う平良のストレートを強振。球は先に当たり、バットを折られながらも三遊間を抜き、ラッキーな左前打となった。7回も1軍経験豊富な三上と対戦。1球見送ってからの2球目を強振すると、弾丸ライナーがセンター前に抜けていった。

「積極的に振りにいったことがヒットにつながりました。(2打席目が)キャンプで一番の当たり。フライアウトでもいいと振り切った結果です」。21日までの2軍練習試合は5試合で7打数1安打。だが首脳陣は、内容あるシュアな打撃センスを高評価していた。

仁村2軍監督が1軍昇格プランを明かした。「タイミングを取るのがうまい。自分のスイングがしっかりしていて、ヒットゾーンへ飛ばせる。あれだけ頼りになる打者は(2軍に)いない。3月中旬の1軍昇格? いやもっと早く。岡崎、岐阜くらいまでには推薦したい。『(2軍で)一番いい打者です』と」。3月3日、4日の西武とのオープン戦での昇格を示唆した。

入団直後の岡林は、二刀流選手として注目された。1月末に自ら外野手1本を宣言してキャンプイン。その答えが正解だったと感じさせる非凡なバットさばきを見せ、一気に腕試しのチャンスをつかんだ。「1軍の投手は球の質も高く、ギリギリをついてくる。1軍の球を経験して結果を出したい」。高卒同期のドラフト1位石川昂は左肩を痛めてリハビリ中。超高校級スラッガーより、一足早い1軍デビューが見えた。トレードマークの大きな瞳がキラキラ輝いた。【伊東大介】

▽中日与田監督(岡林について)「相手もレベルアップしている中、落ちていないのは力があること。1軍の雰囲気を味わってもらうようなことを考えたい」

▽中日笠原(3回2安打1失点)「相手にバッティングさせないピッチングをしたかった。次はイニングを増やして、指にかかった球を投げたい」

◆岡林勇希(おかばやし・ゆうき)2002年(平14)2月22日生まれ、三重県出身。菰野時代は投手として最速153キロ、高校通算21本塁打の二刀流。50メートル5秒8の俊足も誇る。中日からの指名時は、投手中心の二刀流にも関心を示したが、キャンプ前に野手登録が決定。兄は昨季まで広島に所属した岡林飛翔。背番号60、今季推定年俸は550万円。177センチ、73キロ。右投げ左打ち。