阪神西純矢は藤浪級 夏場以降戦力に/中西清起分析

  • 阪神ドラフト1位の西純矢(2020年3月13日撮影)

<解体新書>

1年目から戦力になれる! 日刊スポーツ評論家の中西清起氏(57)が、好評企画の「解体新書」で阪神ドラフト1位西純矢投手(18)の投球フォームを分析した。力感としなやかさを兼ねるフォームを絶賛。夏場以降に1軍戦力となる可能性もあると断言。最速154キロ右腕のフォームに迫った。【取材・構成=松井周治】

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通常のシーズンであれば、夏場以降にチームの戦力になるのでは、と思うほどの投球フォームだ。もちろん体力的な問題がないという上での話だが、フォームだけを見れば現時点でそれほどの仕上がり度がある。

強さとしなやかさを兼ね備えている、と第一印象から受ける。(7)~(10)を見てもらいたい。がっちりと左足が地面に踏み込めており、しっかりウエートが乗っている力感、下半身の安定感を感じる。(10)のフォロースルーも特筆もの。右手の手首が見えるほど、腕が振り切れている。ここにはしなやかさを感じるし、多くの選手を見てきたが、なかなかこれほど強く、かつ柔軟に、腕を振り切ることができる選手はいない。右肩も、左膝の上にバシッと入っており、すばらしい。

その力強さとしなやかさを生み出しているのが、始動の形の良さだ。投球フォームでいえば(4)の立ち姿にあたる。自然体で立てている。右足にしっかりとウエートが乗って、頭からつま先まで、真っすぐ立つことができている。(5)~(6)にかけ、徐々に重心を下げていきながら、左足へのウエート移動もスムーズ。(4)の形がいいからこその動きといえる。(4)と(5)で右膝が前を向いたり、カクッと折れるようでは体重移動はうまくいかない。また、それは直しづらいものなのだが、そういう欠点がないフォームだ。

ただ1つ、右腕の軌道は、ばらつくことがあるのでは、と思う。打者方向から見て(8)~(10)で、頭が右に傾きすぎているので、もっと顔が起きてくればいいだろう。顔が傾きすぎる、いわゆる「逃げる」ということは腕の振り、軌道がバラバラになるということ。高校時代は帽子が飛んでいたと聞くが、それも打者から見て顔を右に振りすぎるからだろう。

速い球を投げたいから、上半身に力が入りすぎていると思うが、腕の軌道が少しでも上がったり下がったりでバラバラだと、制球、球の強さに1球ごと影響してくる。今は10球投げて、いい球は何球かだろうが、10球投げて7~8割までもっていかないといけない。両肩を結ぶラインに対して頭が垂直になれば、いい球を投げる確率はもっと上がるはずだ。

もっとも腕の振りが緩んではダメだが、顔を振らず、起こすように修正することはそれほど時間もかからないだろう。自分の中では帽子を落とさないことを注意していけばいい。(7)~(9)の胸の張りもすばらしく、顔の位置さえ修正できれば腕ももっと強く振ることができる。逆に言えば伸びしろがあるということ。高卒1年目と言えば、藤浪がルーキーイヤーに10勝したが、それくらいの素材。故障するフォームにも見えないし、これからの成長が楽しみだ。

<西純のこれまで>

◆声出しデビュー(2月1日)キャンプ初日に練習の声出し役に指名され「目標は1軍でプロ初勝利です!」と高らかに宣言。

◆初ブルペン(同5日)中腰の捕手に30球。山本昌臨時コーチは「あれだけ馬力がある選手はなかなかいない」と目を丸くした。

◆宝刀スライダー披露(同25日)「高校四天王」では打撃投手を一番乗りで務め、井上、小幡に計41球を投げ、安打性は2本。

◆初登板は1イニング(3月13日)関西国際大とのプロアマ交流戦でプロ初登板した。6回から2番手で1回を投げ1安打1失点。最速は149キロ。

◆対プロで3者凡退(同19日)オリックス2軍との練習試合に8回から登板。NPB球団との初対戦で、3球三振を奪うなど1回を3者凡退と上々の内容。