広島小園海斗内野手(19)が5日、レギュラー奪取を懸ける勝負の2年目へ現在の心境を明かした。

打撃の試行錯誤を続ける中、春季キャンプとオープン戦、練習試合でアピールしてきた。新人で58試合に出場した昨季の経験を生かし「探求心」で遊撃スタメンの座をつかみ取る。

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広島の「背番号51」が昨年に増して日を追うごとに存在感を強めている。小園は高卒2年目にして開幕スタメン候補の1人として、奮闘を続けている。1年目との変化について「まだ少ないですけど、いろんなことを経験させてもらって、去年よりは落ち着いてプレーできていると思います」と自己分析した。

昨季は1軍で58試合に出場し、打率2割1分3厘、4本塁打、16打点に終わった。「1軍で活躍されている選手はぶれない。精神的にもメンタル的にも全然違う部分を感じた」。先輩たちに触発され、向上意欲がさらに高まった。自分に足りない部分を模索した末、選球眼を課題の1つとし、打撃コーチに助言を求めた。ボールの見極めと速球への対応に磨きをかけるべく、それまで中央付近だった打席での立ち位置を昨秋から最後方へと変更した。

そんなプチ改造の効果もあって、2月の春季キャンプでは実戦9試合で打率3割3分3厘と力を示した。しかしオープン戦では中盤以降に失速。12試合で打率1割7分1厘と苦戦し、開幕スタメン争いで1歩後退した。「結果が欲しかったのもあって、打席の中でちょっと力が入りすぎていた」。気持ちを切り替え、持ち味の積極性を取り戻すと、その後の練習試合では5試合で打率4割4分4厘と再び調子を上げてきた。

練習中は「自分で聞いて、提案をしてもらって、試しています」とコーチと積極的な対話を心掛けている。迎打撃コーチは「打席の立ち位置を変えたことにしろ、自分が去年1軍の投手と対戦して感じたところを行動に移してやれている」と成長に目を細める。

小園は2年目の目標について「ショートのレギュラーを獲得するという思いは変わりません」と言い切り、一切のブレはない。とどまることのない向上心を胸に成長ロードを突き進む。【古財稜明】