阪神などが今秋のドラフト1位候補に挙げている近大・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)が15日、奈良県生駒市の近大グラウンドで4月2日以来の練習を再開した。

この日は阪神畑山俊二統括スカウト、担当の渡辺亮スカウトが視察。ノックやロングティーを行う姿に熱視線を送っていた。新型コロナウイルス感染拡大のため、約2カ月半は兵庫・西宮市の実家での個人練習となった。ウエートトレーニングなどで筋力アップ。「体重も1、2キロ増えて94キロになった。逆立ちやブリッジをするなどして体の可動域も広げました」と柔軟性やバランス力も高めてきた。

全日本大学選手権が中止となり、プロへのアピールの機会が減っているが、関西学生野球リーグは春季リーグを8月9日開幕で開催する予定で、1試合ずつ総当たりの1チーム5試合を行う。

現在リーグ戦通算は11本。あと2本で82年に現リーグになって以来最多、近大・二岡(元巨人)の13本に並ぶ。田中秀昌監督(63)は「1番打者で起用してもいいかな」と、多く打席がまわる1番起用案を明かした。昨秋までは主に4番、5番を打っており、1番の経験はない。だが、187センチ、94キロと大柄ながら50メートル6秒と足も速く「もっと盗塁を狙ってほしい」と機動力でも期待する。近大OBで阪神の糸井やソフトバンク柳田のように長打と足の両方をアピールするための1番プランでもある。

佐藤は「しっかり暑さ対策して頑張ればりたい」と経験のない真夏のリーグ戦へ向けやる気いっぱい。阪神渡辺スカウトも「まだ練習時間も決められている。今日からリーグ戦へ状態をあげて、試合でいいところを見せてくれたら」と期待した。この日は部員80人のうち、自宅から通う35人での練習再開。寮生は月末に戻り、チーム全体で練習できるのはそこから。練習試合もほぼできない中で迎える春季、そして9月上旬からの秋季のリーグへ状態を上げ、ドラフト1位候補の力を見せつける。【石橋隆雄】