楽天の新主将、茂木栄五郎内野手(26)が、2日連続の3安打と調子を上げてきた。初回先頭で、早大の1年先輩、日本ハム有原から二塁打。

敵失で先制のホームを踏む速攻で、一気に流れを引き寄せた。オリックスから新加入のステフェン・ロメロ(31)も、2号を含む3安打で打率トップの4割7分8厘に。エース則本昂大(29)が7回4安打1失点と貫禄の投球を見せ、投打がガッチリかみ合い2位をキープした。

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エースを攻略するには、最高の先制パンチだった。1回、ファウルが3球続いた後の7球目。茂木は有原の127キロスライダーを左翼へはじき返し二塁打。続く鈴木大の一ゴロを中田が一塁悪送球した間に、一気に先制のホームを踏んだ。3回にも先頭で二塁打、4回2死満塁では二塁へのボテボテの当たりだったが、懸命に走り内野安打で追加点とした。

開幕からなかなか調子が上がらなかったが、2日連続の固め打ちで、一気に打率を3割に乗せた。「今日は有原さんで、何とか少ないチャンスをものにしたかったので、チャンスメークすることだけを考えて打席に立った」。早大の先輩有原には、昨季も18打数8安打3打点1本塁打と好相性だったが、「相性がいいという印象はない。いいピッチャーなので、どこか割り切って打席に入らないと結果が出ない。今年もいいピッチャーなのは変わりがない。今日も腹をくくって球種やコースを絞るなりしたのが結果につながったと思う」と客観的だった。

今季から主将に就任した。強い意気込みとは裏腹に、シーズン前にはコンディション不良で2軍調整が続いた時期があった。開幕は2カ月以上遅れたが、地道な調整で戦列に戻ってきた。三木監督は「キャプテンとしてもいろんなことを頑張ってやってくれている。茂木らしい力強いスイングで、しっかり結果、ヒット数も増えて本人もよかったんじゃないかと思う」と喜ぶ。首位ロッテに1ゲーム差の2位にも浮かれムードはない。「自分の間合い、タイミングで振れているようになってきたので、少しずつよくなっていると思う」。謙虚な主将のもと、常に足もとを見つめながら、戦いを続ける。【野上伸悟】