ソフトバンク先発の石川柊太投手(28)が、同僚千賀の「お化けフォーク」に匹敵する魔球、パワーカーブを駆使して6回無失点の3勝目。18年から続く自身の連勝を8に伸ばした。首位楽天を1ゲーム差でピタリ追走だ。

ソフトバンク石川がチームトップの3勝目を挙げた。約2年ぶりとなる中5日での先発登板も、オリックス打線に6回78球を投げ、2安打無失点に封じ込んだ。「真っすぐが良くなかったけど、全体的にストライクゾーンで勝負することができた」。150キロ超の直球はなかったものの、自慢のパワーカーブ、スライダー、フォークを駆使し的を絞らせなかった。5回まで両軍1安打ずつの投手戦。冷静にマウンドから打者を見下ろした。「どっちが先に点を取られるかな、みたいなところがあったけど、常に1発を警戒して低めを意識した」。長打のある吉田正、ジョーンズにそれぞれ1四球を与えたが、しっかり後続は切った。「そういう投球ができたのは大きかった」とうなずいた。プロ7年目。京セラドームの先発白星は初めて。「自分もそうですが、こういう試合で勝てたのは大きい」と笑顔で振り返った。

◆令和の魔球・石川のパワーカーブ 全14球の内訳にすごみが詰まっている。見逃しストライク4球、ファウル2球、ボール7球、一ゴロ。前に1球しか飛んでいない。思い切り腕を振って、120キロ台中~後半のスピードで大きく曲げ落とす。曲がりだしが遅く、スイングとの接点がほとんどない。フライが少ない点も大きな特徴で、流行の「フライボール革命」に対抗する最も有効な球種でもある。