楽天浅村栄斗内野手(29)が2試合連続の21号逆転3ランで、連日のヒーローとなった。1点を追う3回1死一、二塁から左中間最深部に豪快な130メートル弾。前日(4日)の2発に続き、勝利を決める価値ある1発だった。主砲の活躍で5カードぶりの勝ち越し。再び上昇ムードとなってきた。

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心地よさそうな1発だった。オリックス山崎福の初球、真ん中高め137キロの直球を、浅村は見逃さなかった。満振り(フルスイング)でのジャストミート。打った瞬間、誰もがわかる1発で、試合を1球でひっくり返した。連日のお立ち台で手応えを聞かれると「完璧です」。

つなぐ意識で生まれた豪快弾だった。2試合連続で3番に入った。「和基(田中)が四球でつないでくれたチャンス。後ろに大地さん(鈴木)もいますし、いい形でつなごうと思った」。前カードまでの6試合は20打数3安打と、若干ペースダウンしていた。試合後にも室内練習場で打ち込み「感覚的には徐々によくなってきている。ここ数試合は自分の間合いで打てるようになってきた。その中でボールを見極められているから、甘いボールを見逃さないで打てている」と再び量産モードとなってきた。

前夜は通算200号のメモリアルアーチを放ったが、喜びに浸る間もなく201号で新たな1歩を踏み出した。67試合目にして21本塁打、打点も70とした。23本、77打点で2部門トップの大阪桐蔭の先輩、日本ハム中田を追うが「今意識しても仕方がない」とタイトル争いには無関心で、目の前の勝負に全力を傾ける。

4回には大城の打球に追いつき、1回転して送球するなど守備でも魅せた。三木監督は「浅村らしい素晴らしい打球で、一発でバチッと仕留めてくれてさすがですね。打つだけじゃなく、守備でもベンチでも、浅村がドシッといてくれるのはありがたい」とその存在感に感服する。頼りになる主砲は「何よりもチームが勝つことが大事で、そこに貢献できているのがうれしいです」とフォア・ザ・チームでけん引する。【野上伸悟】