日本ハム中田翔内野手(31)が24日、楽天23回戦(楽天生命パーク)で自己最多を更新する31号ソロを放った。1点を追う8回、左翼席へ値千金の同点弾。本塁打王争いを繰り広げる楽天浅村の目の前で、トップに並んだ。さらに打点も103に伸ばして打撃2冠に再浮上。9回には打ち上げた飛球で適時失策を誘い、チームに決勝点ももたらした。

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午後2時開始のデーゲームながら、すっかり日も暮れていた8回。中田の力強い打球は、カクテル光線に照らされて左翼席へ飛び込んだ。「完璧でした」。手応えたっぷりの感触で放った“レベチ”な1発は、13年目で初めて刻んだ31号。栗山監督も「よく打った。さらに翔が前に進むために(タイトルは)大きな意味があると思っている」。2冠獲得へ前進するメモリアルアーチだった。

中田は、淡々と振り返った。「別に…どうでもいいという言い方をしたらアレですけど、今はもう、それどころじゃないというか、最後までしっかり戦う姿勢を見せられれば。それだけですね」。主砲として、優勝を逃し、5位に沈む現状への悔しさがある。「これだけ1位とも距離(ゲーム差)が離れたのは僕たち選手の責任」。それでも球場に応援に来てくれるファンのために、結果を追い求め、過去の自分も超えた。

9回2死一塁では「うわぁフライを打ち上げてしまった」と悔やんだ打球が適時失策を誘い、決勝点も呼び込んだ。

ヒーローインタビュー、花火打ち上げイベントを待つ楽天ファンの前で、大阪桐蔭の後輩でもある浅村とのタイトル争いを問われた。

中田 シーズンが終わるまで、あまり考えてはないですけど、浅村も本当にすごい打者なので。自分も負けないように、頑張りたいなと思います。

敵地で拍手が起きた。1学年下の最高のライバルとの本塁打王、打点王争い。最後まで、熱い戦いを見せる。【木下大輔】

▽日本ハム河野(5回8安打4失点) 毎回のようにランナーを出し、守りのリズムをつくることができず悔しい気持ちです。

▽日本ハム・ロドリゲス(2番手で登板し、2回無失点) ツーシームもチェンジアップも思った通りに投げることができました。

▽日本ハム渡辺(4回に左前適時打) 追い込まれていましたが、いい形で打つことができました。