緊張感いっぱいの表情が、少し緩んだ。ロッテから2位指名を受けた明石商の最速151キロ右腕、中森俊介投手(3年)は「指名してもらってほっとしてます。戦力として頑張りたい。(ロッテは)ファンの方が温かくて、選手と一緒になってプレーしているイメージです」と思いをはせた。

プロ野球選手になる。それは夢であり、約束でもあった。中学3年時、手紙で親への思いをつづる『家族へ思いを届けようプロジェクト2017』に参加し、特別賞を受賞した。15歳の青年が強い覚悟を文字に記した。「絶対に甲子園に出て高校を卒業したら、プロ野球選手になって必ず親孝行します」。あれから3年。母・美幸さん(42)ら家族に見守られたドラフトで、目標をかなえてみせた。

「佐々木朗希投手に160キロの投げ方を教えてもらいたいですね」。19年ドラフト1位の先輩に弟子入り志願したが、「投げたいけど多分無理だと思うので、平均球速とかキレにこだわりたい」とすぐ現実的に修正。ただエース街道を歩むことは譲れない。「1年目から15勝したいですし、いつかは沢村賞を取りたいです」。明石から千葉へ。たどり着いたのは同じ海沿いの街。世代屈指の右腕と呼び声高い18歳が、球界のエースを目指してプロの荒波に飛び込む。【望月千草】