阪神藤川球児投手(40)の引退試合に際し、盟友2人が言葉を寄せた。藤川とともにJFKと名付けられたジェフ・ウィリアムス氏(48=阪神駐米スカウト)と久保田智之氏(39=阪神プロスカウト)。思い出やエピソードを語った。

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熱い思いがこみ上げた。阪神プロスカウトの久保田智之氏(39)にとって藤川は特別だった。「同い年ということもありますし、良い仲間であり、良いライバルであり、尊敬できる存在ですね。多くのファンの方々がそうであったように、投げ続ける球児の存在が自分が頑張るための活力であり、誇りでもありました」。背番号22の存在が自身の野球人生に大きな影響を及ぼした。

05年、久保田氏は守護神として7回藤川からの継投を締めくくり、27セーブを挙げた。当時を振り返り、思い出すのはブルペンでのたわいもない会話だ。「『もう1点入ったら楽やな』とか『今日はあんまり良くない流れだな、いきたくないな』とか(笑い)。今となっては思い出に残っていますね」。あの頃の会話が今でも鮮明によみがえる。

深い絆で結ばれた「JFK」は虎の歴史に輝く伝説になった。久保田氏は07、08年に最優秀中継ぎ投手となり、07年シーズン90試合登板のプロ野球記録をマーク。「球児、ジェフに引っ張られて自分がいたと思っていますし、あの2人がいなかったらこうはなっていなかったと思うので、本当に感謝ですね」と運命的な巡り合わせに感謝する。

久保田氏は今後も野球界で活躍する藤川の姿を期待した。「球児に憧れる野球少年は多いので、これからも一生、野球少年たちの憧れであり続けてほしいと思います。『球児』はこれから野球から離れることはないと思うけれども、これからの野球界のために頑張ってほしいし、また力を貸してほしい」。良き仲間であり、良きライバル-。これからも2人の関係は変わらない。