球界の人気者・日本ハム杉谷拳士内野手(29)が、新主将に立候補した。28日、先乗り自主トレ中の沖縄・名護で、栗山英樹監督(59)に向けて“絶口調”の猛アピールを繰り広げた。例年、主将は同監督が選出。今季のキャプテンはいまだ決定しておらず、「僕も2月4日で30歳。そろそろ、キャプテンの1つや2つ、称号でも得ないとね」と鼻息を荒くした。

   ◇   ◇   ◇

三十路(みそじ)を前に、決死の猛アピールだ。杉谷が、宙に浮いている主将の座をめぐって一芝居打った。

杉谷 あれ? 皆さん、まだ聞いていないんですか? これ、まだ言っちゃいけないんだっけ?…っていうのはウソで。僕がC(キャプテンマーク)を付ける。

そう言って、人さし指と親指でCマークを作り左胸にあてたが…肝心のマークはなぜか逆さま。「僕も2月4日で30歳。そろそろ、キャプテンの1つや2つ、称号でも得ないとね。監督から『お前に任せるぞ』っていう気持ちが、ひしひしと伝わって来ます」。指揮官へ向け、ドヤ顔で胸を張った。

意外と適任かもしれない。今オフには清宮、野村、郡と将来有望な若手たちを率いて沖縄・伊江島で自主トレを行った。「野村は地元で『杉谷と一緒に自主トレをして大丈夫なのか』って、すごい言われたみたい」。だが周囲の不安は一掃した。連日体を追い込みながらも、楽しさは忘れずに。基礎体力に不安のあった清宮も、笑顔で完走した。「幸太郎(清宮)が苦しんでいるのを見てきた。『人は人、自分は自分』『小さなことは気にするな』と英語で伝えました」と、精神面でのサポートにも気を配った。

昨季は後輩の西川が主将を務めた。例年、主将は栗山監督が指名しているが、来季については不透明。杉谷は競馬の予想にならい「◎近藤、○上沢、×杉谷。本当に大穴です。万馬券が来ますね、大外から」とニヤリ。

2月1日から始まる春季キャンプ。「1年間、ケガなく楽しく野球をやりたいのが本音です」。果たして、杉谷の左胸にCマークは輝いているのか。【中島宙恵】

○…杉谷と同じ帝京出身の日本ハム郡が、後輩の強打者からヒントを得た。沖縄・名護での先乗り自主トレに参加中。今月中旬まで行っていた伊江島での合同トレでは、3年目の野村にも積極的にアドバイスを求めた。「力の伝え方が分かってきた。バッティングで目立たないといけない」。キャンプは2軍スタートも、杉谷お墨付きの打撃力で猛アピールする。