阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)の本職の三塁起用が現実味を帯びてきた。外野が基本構想だが、13日の沖縄・宜野座キャンプは投内連係やシートノックで三塁を守り、内野特守も行った。開幕サードが濃厚な大山は別メニュー調整中で、矢野燿大監督(52)も有事に備えたオプションにするプランを明言。14日の練習試合・広島戦(コザしんきんスタジアム)は、3番左翼の佐藤輝と4番中堅の井上広大外野手(19)が初中軸を組む。

  ◇   ◇   ◇

沖縄の強い日差しも収まってきた午後2時半。佐藤輝は本職の三塁用グラブを手に、三塁側ファウルゾーンで久慈内野守備走塁コーチからノックを受け続けた。トータル70分。陽川、北條とともに一塁送球の基本動作や、タッチプレーを反復した。初参加の投内連係は三塁を守り、シートノックでは左翼の後に三塁へ入った。見守っていた矢野監督は「サード佐藤輝」を本気で考え始めていた。

矢野監督 (大山)悠輔が昨日みたいな状況になった時とか、あいつ(佐藤輝)が開幕からめちゃくちゃ打つとか。メンバーは、いろんな状況のなかで勝ち上がっていったやつを使う。いろんなことを今のうちに準備しておきたい。

開幕三塁が濃厚な主砲の大山は12日の紅白戦で、腰背部の張りを訴え、別メニュー調整。シーズン中も同様の緊急事態は起こりうる。有事のオプションとして、指揮官は黄金ルーキーを三塁起用する可能性を初めて言及した。佐藤輝も「いつどこでチャンスをもらえるか分からない。どこのポジションでも出られるように準備していきたい」と、大学時代に慣れ親しんだ“定位置”に就く準備を進める。

指揮官はドラフト会議直後から一貫して、佐藤輝の起用は外野が基本と構想を明かしてきた。実際、この日までに行われた実戦4試合もすべて外野起用。だが大山の状態や、佐藤輝の打撃力、さらに練習で見せる高い三塁の守備力を総合評価して、柔軟にプランを練り直した。

矢野監督 本人的にはサードがいいっていうことはもちろん分かっている。若いうちにいろんなところにチャレンジしてやっていくのは、マイナスになることはない。(起用の)幅を広げるというか、(首脳陣も)いろいろチャレンジしています。

14日の広島との練習試合は3番左翼でスタメン予定。中堅で4番に入る19歳の大砲候補、井上と初めてクリーンアップコンビを組む。「いい結果を出せるように。しっかり自分のスイングをしてアピールしたい」。セ・リーグとはプロ初対戦。ローテ候補の遠藤が先発してくる。豪快なフルスイングで、佐々岡カープも驚かせる。【只松憲】

▽阪神久慈内野守備走塁コーチ(佐藤輝の三塁守備について)「今は自分のスタイルでやって、気づいた時に(アドバイスを)言っていく。1クールに1回は内野守備をしていく方針」

阪神担当のツイッターはこちら―>

阪神ニュース一覧はこちら―>