オリックス佐野皓大外野手(24)が、仰天の特大アーチを披露した。「1番・中堅」で先発。初回、巨人戸郷の初球、146キロ直球をフルスイングで捉えて、京セラドーム大阪の右翼5階席へオープン戦1号をかけた。

ゴツーン! の衝撃音が、場内に響き渡る。1番打者の一振りに、9542人の観客があっけに取られた。

佐野皓 感触は完璧でした。甘く来たら振りにいこうと思っていました。強く振ろうとしているので、それがいい結果につながっているのかと思います。

最大の長所は俊足だが、打席では「当て逃げはしない。強く振る意識です」と言いきる。プロ入り時は投手で右打ち。昨季途中に両打ちに再転向した。従来の右打席には「力の入れ方がわかるんですけど…」。左打席が課題だった。

課題を克服するために「1センチ」の工夫を取り入れた。肉眼ではわからない試行錯誤。「左打席の方が1センチ、バットが長いんです」。左右の打席でバットを持ち替える。「左打席は85センチのアトムズ(社製)です。タイプは松井稼頭央さん。偶然、ウエートルームで発見して、振っていたら、いい感覚だった。『これだ』と思ったので、すぐにまねしてバットをオーダーしました」。わずかでも遠心力を加え、ボールをはじき飛ばす。ひらめき次第で、細身の体でも驚きの飛距離を生み出す。

5回2死二塁で決勝の適時二塁打も放ち、打率3割7分はオープン戦3位で、通算10安打は12球団トップ。俊足、左右両打席での成長、さらには驚きのパンチ力まで見せた24歳が、開幕スタメンに力強く前進した。【堀まどか】

▽オリックス中嶋監督(佐野皓の成長に)「あそこまで飛ぶというのは、力もついてきたのかなと思います。細かいことまでできるようになってきたから、どんどん良くなってくると思う」

<佐野皓大こんな人>

◆生まれ 1996年(平8)9月2日生まれ、大分県出身。

◆球歴 大分高3年夏に投手として甲子園出場も、初戦敗退。14年ドラフト3位でオリックス入団。

◆野手転向で育成契約 18年から内野手に転向し、育成契約となる。スイッチにも挑戦。

◆支配下復帰し1軍へ 18年7月に支配下契約を勝ち取り、10月に代走で1軍デビュー。オフの台湾ウインターリーグで盗塁王。

◆1軍定着 19年には急成長し、1軍戦68試合に出場。

◆チーム盗塁王 20年には右打ちに専念。1軍で主に代走として出場を続け、オリックス最多の20盗塁。欠かせない存在となる。

◆スイッチ復帰 20年9月、俊足を生かすため再び両打ちに戻ることを決断。

◆サイズ 182センチ、73キロ。右投げ両打ち。

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