ロッテは14日、育成左腕の本前郁也投手(23)と支配下選手登録を結んだと発表した。新しい背番号は「49」で、年俸は420万円(推定)。

この日の練習後、井口資仁監督(46)に呼ばれ「自分1人だし、悪いことはしてないし、もしかしたら」と胸を躍らせて向かうと、監督は笑顔で待っていた。支配下登録を告げられ「平常心でいようと思ったんですが、内心で震えというか、その場で鳥肌が立ちました」。すぐ両親に電話。ロッカーでは同い年で同郷のドラフト4位河村説人投手(23=星槎道都大)から「もしかして?」と言われ「おめでとう」と祝われた。

120番だった背番号は49番になる。昨季まで同じ左腕のチェン・グァン・ユウがつけていた。優しい先輩は家庭の事情で退団し、台湾に戻った。「左投手ならではのことを教えてもらった。チェンさん以上の活躍をしたいです」と恩返しを誓った。

本前は札幌光星高、北翔大を経て、19年育成ドラフト1位で入団。新人合同自主トレ初日から肩の仕上がりの早さを見せ、関係者をうならせていた。昨季終盤は2軍で先発ローテーションに入り、防御率も2点台をマーク。先発左腕候補として首脳陣の期待も大きく、今春も石垣島キャンプで1軍に抜てきされた。

最速149キロを誇る直球は、球速表示以上に打者を差し込み、変化球や間合いをうまく使いながら打者を打ち取る。11日にはオープン戦楽天戦(静岡)に先発し、3回無失点と好投していた。支配下登録が決まり「早くチームの戦力になりたいです。まずは1軍で勝ち星をつかみ取ることを目標に。1勝で落ち着かず、連続してバババッってやっていきたいです」。16日からの日本ハム戦(札幌ドーム)で早速、地元での登板が実現しそうだ。

これでロッテの支配下登録枠は残り「3」となった。【金子真仁】